中国の料理といっても、中国は国土がとても広く、地方によって料理も全然違います。さすがに世界三大料理と言われるだけあり、様々な料理法と発酵食品を多用した食品やソースに触れることができます。それは少し日本人の舌に合わないものもありますが、慣れていくと本当のおいしさが分かったりします。そうなってくるともう病みつきで、日本に帰ってからもその味が忘れられなくなるほど、おいしい料理がたくさんあります。
北京料理
北京料理は山東料理のひとつで、宮廷料理から発展したので、見栄えのする料理が多いそうです。日本でも有名な北京ダックや餃子などを見れば分かるように、小麦粉を使った料理が多いです。また、味付けは濃い目で塩辛いと言われています。 小さなお皿に具が乗っていて、何種類か麺と一緒に持ってきます。私が行ったお店では、テーブルに置く前に店員が、リズミカルに具を麺の上に乗せていきました。一種のパフォーマンス的なしぐさです。そこへ専用の味噌(中国大豆の味噌)を好みの量を入れて、グチャグチャ混ぜます。現地の人は黒酢も入れるようですが、私は入れませんでした。麺は見かけも味も日本のうどんの様です。この味噌はすごくおいしくて、日本では味わったことのない味でした。味噌の中に肉のようなものが入っていて、これも味が浸みてものすごく絶品でした。中国北方の家庭料理です。 北京ダックがリーズナブルに食べられるという、地元の人に人気のある「香満楼酒家」という店で、1/2匹75元(約1125円・スープ付)を食べました。丸焼きしたものをワゴンでテーブルの近くまで持ってきてくれ、その場でシェフが切り分けてくれます。ここでは皮だけでなく、皮付きの身を出され、そのまま食べてもおいしかったです。クレープ状の薄餅にテンメン醤、ダックの皮や身、ネギ、キュウリを置き、巻いて食べます。この薄餅が意外とボリュームがあり、ダックも油っぽいので、たくさんは食べられません。残ったものをセットで持って帰って、後で食べましたが、油が抜けて、よりおいしくなっていたのは驚きでした。セットでスープが付いていて、まるっきりダックのダシだけで作っているスープで、味はなかったけれどあっさりしておいしかったです。 1741年創業の「砂鍋居飯荘」という老舗の名物料理。中に春雨、白菜の漬物、一番上に豚肉の薄切りが引いており、一緒に付いてきたタレを入れて食べます。タレを入れなかったら日本の水炊きの鍋みたいで、やはりタレを入れた方がおいしかったです。白菜は生ではなく、一夜漬けっぽい味がして、酸味が効いていました。生ではないので、下手に水分が出ず、水っぽくはならないので、日本での鍋のヒントになるなぁと思いました。そしてこのタレが日本にはない中国独特の味がして、何とも言えないおいしさでした。 同じく「砂鍋居飯荘」の別の鍋料理。豆腐の中に2層の魚のミンチが詰めてあり、上は青魚、下は赤味の魚のミンチでした。汁はカツオダシがきいたような味で、うどんのダシみたいで、めちゃくちゃおいしかったです。あっさりしていて、日本人好みの味だと思います。 中国式の揚げパンで、朝食に食べるものだそうです。朝食メニューの中にあったので、これとおかゆをオーダーしました。タレにつけて食べるようになっていました。タレは中華トマト味といったところでしょうか。油条自体味がないので、そのまま食べるにはきついです。油っぽいのでひとり1本くらいがちょうどよいでしょう。
個人的には北京自体が洗練されていない野暮ったい街で、料理も田舎の料理といった感想です。また、モンゴルや中央アジア系の料理店もよく見かけて、日本で想像する中華よりは日本人に馴染みのない料理を多く見かけました。食べたことのない料理が多くて、想像を超える味が多く、改めて中国の料理の素晴らしさを感じ、もっと色々食べてみたいと思いました。
小吃
小吃は大衆食堂や露店などで気軽に食べられる軽食のことで、地元の味も分かって、その地を知るのによいです。軽食とはいえ、けっこう1品で十分お腹がいっぱいになるものも多いので、おやつというよりは立派な食事になりそうです。
朝食
中国の朝食はもちろん地方によって様々ですが、包子(バオズ)や先に紹介した油条、お粥、中国風クレープなど簡単なものが多いです。最近は昔ながらの食堂や屋台だけでなく、ファーストフードでも食べられる店が増えてきたそうです。 天津発祥の包子で有名な店「狗不理包子」の北京市内の王府井店の朝食セット。38元(約570円)。肉まんのセイロひとつと、野菜の皿をひとつ選べます。粟のおかゆにゆでたまごをひとつ付けました。おのぼり中国人が表で記念撮影をしていました。 普通の玉子粥の中にオレンジ色の得体の知れない干物が入っていました。これが中華っぽい味をかもし出していると言えば聞こえがいいですが、せっかくの玉子味がぶち壊しといった味でした。もちろんこの味が苦手でなかったらおいしいのかもしれませんが。
飲み物等
レストランではお茶も注文していましたが、ジュースのメニューが意外と種類があって、日本ではあまりジュースにしないような果物のジュースが沢山あったので、どれを飲むのか楽しみでした。夏の北京は日本よりも蒸し暑いのに店はクーラーをあまりしていないので、飲み物やシャーベットは常に食べていました。 左はオレンジジュース、右は中国で一番良く見るジュース。味が何種類もあります。しかも600ml入りなので、お得感がある上に、広口タイプなので、持って帰って水筒に使うにもちょうどよいです。4元(約60円)くらいで、ビールより高いのはびっくりです。
アルコール類
北京ではビールはほとんど燕京ビールです。ジュースよりも安いので、ジュース代わりに沢山飲みました。北京では日本と同じようにビールはキンキンに冷やしてくれているので、グイグイいけます。 北京で創業された、北京での主力ビールです。燕京とは北京の古い呼び名だそうです。どの店にも置いてあり、とても安く、いいレストランでは10元(約150円)、店屋で4元(約60円)ほどの驚く値段でした。ローカルな安酒場では2元ビールという店もあったほどでした。味は薄いのですが、北京の暑さにはちょうどよく、すっかりファンになってしまいました。 左側上は「鮮」という字があるので、純生の瓶ビールでしょう。左上から2・3番目は普通の燕京ビール(なんと2~2.5元・30円から38円ほど)、左下から2・3番目は純生(4.5元もする)で、裏側にオリンピックの記念印刷がしてありました。右下はノンアルコールビール。 左はパイナップル果汁入り、右はレモン果汁入り。現地ではパイナップル果汁しか飲まなかったのですが、これがもう大ヒットです。ビールテイストのパイナップルジュースといった感じで、アルコールの楽しさとジュースの楽しさが同時に味わえます。日本ではとりあえず「生」といったところを北京ではとりあえず「パイナップル果汁ビール」といった感じで飲みました。超オススメの一品です。 日本でもお馴染みの中国のビールといえば、青島ビール。北京市内でどこでも置いてありました。日本で飲むと薄い感じがしていましたが、燕京ビールに比べれば、濃いです。値段が燕京ビールの倍もすることが発覚してからは、飲む気が失せました。
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