のんびりネパール一人旅③ 友人合流編

友人と合流した私は、カトマンドゥ周辺観光に出かけた。今までの、のんびりペースから急に慌ただしくなり、旅の充実感を味わった5日間。

のんびりネパール一人旅

※2017年5月19日に記事の修正、見直しを行いました。


7日目(2011.12.29)

友人合流

昨日の夜遅く、無事友人4人とフジホテルで合流した。Oさんは日本ですでに風邪を引いており、私の喉もますます痛くなっていたので、風邪引き同士同室になった。

朝食はホテル「ウッツェ」のチベタンブレックファースト。前回ネパールに来た時にこれを食べて、すごくおいしかったのでずっとこれが食べたかったのだけど、みんなが来るまで待っていたのだ。ここはカトマンドゥで有名なチベット料理店の老舗。お値段はやや高めだが、日本の物価からするととても安い。

チベタンブレックファーストは、ケチャップのようなソースがかかったポテトとチベタンブレッドにバター茶がついているだけのシンプルなセットだが、そのどれもがとてもおいしくて、是非みんなにも味わって欲しかった。

チベタンブレックファースト

チベタンブレックファースト

ウッツェ

ウッツェ

バター茶は見かけはミルクティーなのに味は塩っぽいので、友人かわまりはそのギャップに脳がついていかず、 「うえっ!」となっていた。そう言えば、生まれて初めてバター茶を飲んだ時は私もそうだった。でも慣れるとおいしいんだけどな、これが。


少し買い物をして、今度はモモを食べに行った。「ニューエベレスト・モモ・センター」という地元の人に人気のモモ専門店である。日本で言ったらたこ焼き屋とかそういう雰囲気だ。

ここのモモのソースは独特で、めちゃくちゃおいしい。他の店の使っている香辛料とはちょっと違って汁気が多く、皿の上のモモにぶっかけて食べるようになっている。

何種類かの香辛料に少量のココナッツミルクとコリアンダーのみじん切りが入っているように思えたが、正確には分からなかった。きっと秘伝のソースなのだろう。

■ニューエベレスト・モモ・センター

モモ

ニューエベレスト・モモ・センター

ナガルコットへ

今日は、早速カトマンドゥを離れて、ヒマラヤビューポイントのナガルコットへ行った。 カトマンドゥからツーリストバスに乗って1時間半くらいで、もう2000mほどの高地となる。

ここでの宿は日本人にお馴染みの「雲海リゾート」。私が前回ナガルコットに来たときに、 ここのホテルの眺めが良さそうだったから、次回は是非泊まろうと思っていてここを選んだ。

ナガルコットには、木梨憲武にそっくりなネパール人が経営しているノリタケカフェがある。本人は木梨憲武を知らないが、訪れる日本人がみんな似ていると言うので、本人もその気になって、元のカフェをノリタケカフェと改名したらしい。

そのノリタケカフェに行ってみると、確かに木梨憲武似のおっちゃんがいた。日本人客が多いらしく、連絡ノートには日本人のコメントがたくさんあった。

ここでお茶を飲んでいたら、思いっきり家族の写真とか見せてくれたり、 木彫りのお面(なんか結構よかった)とか、絵葉書とか出してきて、ネパール初めての友人達にはめずらしくて色々見ているうちに、日暮れになっていた。

ヒマラヤの夕日を見るまでの時間潰しにこのカフェに来たのに、居心地がよかったために思わぬ長居をしてしまい、 雲海リゾートの屋上で見るはずだった夕日は、日が沈むまでにもう間に合わないので、近くのホテルのテラスに上がらせてもらい、 なんとか日の入には間に合った。

しかしそこからは山はあまり見えなかったので、夕日は沈んだけど赤い山を見るために、雲海リゾートへ急いで戻ることにした。気が焦るあまり走って帰り、気が付いたら私とかわまり二人だけになっていた。

なぜか二人ともだんだんハイになっていって、下り坂で「ひゃっほう!」と叫びながらジャンプして走っていた。高地の酸欠によるハイである。

ナガルコットの夕日

ナガルコットの夕日

 

夕暮れのヒマラヤ

夕暮れのヒマラヤ

すばらしい星空

夕食の頃、T木さんの調子が悪くなった。日本ではタニタのダイエット食を実行している彼女の体には、いきなり香辛料がたっぷりのネパール料理はきつかったのかもしれない。また、Oさんの風邪は酷くはないけど調子は決して万全とはいえなかった。そして、私は鼻水が止まらなくなっていた。

調子が悪いとはいえ全員で5人もいるので、夕食は豪華になった。私は友人と合流してからの初めての夕食。やはり人数がいると食事が充実していていいわ。

雲海リゾート

雲海リゾート

雲海リゾートの夕食

雲海リゾートの夕食

夕食後は特にすることもなく、明日は早起きして山を見るので早くから床に就いた。しかし、私はともかく他のみんなは3時間15分の日本の時差からいけば、まだまだ元気だった。

たまたまOさんが窓の外を見て「うわっ!星が綺麗!」と叫ぶので、同室のかわまりと3人でテラスに出てみたら、 めちゃくちゃ綺麗だった。隣の部屋のK美さんとT木さんも誘って5人で一緒に見た。

私達が騒いでいると、他の宿泊客もなんだなんだと出てきたが、さほど興味がなかったようだ。私達も他の宿泊客の迷惑になるので一旦は部屋に戻ったものの、同室のOさんとかわまりとで、今度は屋上に行ってみた。

すると、360度の満天の星空!冬の星座に天の川が見えた。普通、天の川は日本の都市部では夏にしか見えないのだが、 ここは山岳ということと、停電のおかげか街の明かりも見えず、冬の天の川がくっきりと見えた。

天の川を見たことがないOさんとかわまりは、「なんか空がもやってる」と言っていたが、
「あれが天の川だよ!」
と言って、少しばかりある知識を披露した。

カノープス(南極老人星)という北緯35度の日本からでは地平線近くて なかなか見られない星も日本より少し南にあるネパール(沖縄くらいの緯度)だと高い位置にはっきりと見えた。

あ~ちくしょう!ネパールに双眼鏡を持っていくか最後まで迷って荷物になるから止めたけど、持って行けばよかった。 でも準備万端で行くと曇るんだよな、これが。

8日目(2011.12.30)

ヒマラヤ

早朝、朝日が昇る前に雲海リゾートの屋上で待機した。展望台に行こうかとも言っていたが、苦労の割に時間的ロスが多いので今回はやめにした。こんな時間から待機している宿泊客は私達だけで、他の客は見かけなかった。 まだ寝ているのだろうか。

朝日が昇るにつれ、山の形が紅く、くっきりと浮かび上がってきた。こんなすばらしいヒマラヤの山々を何度も見ている私は本当に幸せだ。実は明日からは雨で、新年のご来光狙いの観光客は残念ながら見られなかったらしい。

朝日が昇るにつれ、山の表情もどんどん変わっていった。ここの屋上から見えるひときわ目立つ3つの山(Ganesh Himal)をスリーシスターズと勝手に命名して、その前で何度も記念撮影した。

朝焼けのヒマラヤ

朝焼けのヒマラヤ

ようやく空の赤みが引いて青空が見え始めた頃、他の宿泊客が出てきた。その時間帯になると、通常は山の上に 雲が発生して山が隠れていき、展望終了となるのだが、今日はずっと快晴のままだった。

Ganesh Himal

Ganesh Himal

サクーへトレッキング

ナガルコットからは徒歩で麓のサクーという町まで帰ることにした。この道は一度歩いたことがあるし、1本道 なので、方向音痴の私達でも迷うことなく行けるだろうと思ってのことだった。

ごくたまに地元の人とすれ違うくらいで(途中でノリタケカフェのノリさんにも会った)、ほとんど人がいない、 のどかな田舎道をのんびり下っていった。

サクーへの道

サクーへの道

山を下り始めてすぐ、K美さんのナイキのトレッキングシューズの底が外れてぱこぱこになった。ほどなくして、もう片方も 底が外れ、両足がぱこぱこの状態に。両足同時にダメになるなんて、ナイキ製品の品質の均一化に感心するなぁ・・・。なんて感心してる場合じゃなかった。こんな山の中でどうするねん?

しかし野生児K美にはあまり心配いらなかった。ビニールで補修をして、難なく切り抜けた。また、街に戻ったら靴を買おうという提案にも応じず、その後のネパールは部屋履き用に持ってきていたサンダルだけで過ごしていた。

今度はかわまりがトイレに行きたくなり、川の向こうへ消えていった。帰ってきたかわまりは、ぬかるみにはまって靴がドロドロに。T木さんはまだ調子が悪いし、私は薬でなんとか症状を抑えているし、Oさんは万全ではない。 なんだか雲行きが怪しくなってきたゾ。

■サクーまでの道

サクーまでの道

サクーまでの道

タカリ族レストラン

サクーからカトマンドゥのバスの中ですっかり調子が悪くなってしまったT木さんは、その後の買い物もほとんどできず、結局ダウンしてしまった。

そのため、今日の夕食は4人でタカリ族レストラン「ムスタン・タカリ・チューロ」に行った。私がひとりの時に行った 「タカリ・バンチャ」よりは高級な感じのレストランで、雰囲気もよかった。店主が「どうですか?」と 何度も席に来て声をかけてくれたり、感じのよいレストランだった。

■「ムスタン・タカリ・チューロ」の料理

「ムスタン・タカリ・チューロ」の料理

「ムスタン・タカリ・チューロ」の料理

「ムスタン・タカリ・チューロ」の料理

9日目(2011.12.31)

ダクシンカリ

今日は、車を1日チャーターして、カトマンドゥ周辺を効率よく回ることにした。人数が多いので、車をチャーターしても 一人当りに換算すると大した金額にはならなかった。

友人が来てからの予定は私が全部考えたので、ネパール入門者には少しマニアックだったかもしれない。

まずはダクシンカリ。生贄の儀式が行われることで有名な女神カーリーを祭ったヒンドゥー寺で、特に土曜日は盛大に行われるそうだ。

そして今日がその土曜日。きっと賑やかで色々おもしろいものが見れるだろう。市街地からどんどん山を登って標高もかなり高そうだ。朝早かったこともあり、ものすごく寒かった。

寺の周辺には出店があって、寺で必要なもの以外にも色々と日用品が売っていて、カトマンドゥの街中とはまた違ったものがあっておもしろかった。

ここで生贄となる動物も売っていて、あらかじめ用意していない信者は、リーズナブルに済ませたい場合は鶏を、 ちょっと奮発する場合は山羊を買っていた。

■出店

ダクシンカリ

ダクシンカリ

そして生贄を捧げる信者達は、長い長い列に並んで、自分の番が来るのを気長に待っていた。一方、祭場の中では係員が黙々と 生贄となる動物の首を切っていた。

床はもう血の海。そしてその周辺は、それを洗い流す水とお供えの花びらが飛び散って、床はびしょびしょ。こんな所で滑ってこけたくはないので、慎重に歩いた。

祭場

祭場

私達外国人は中には入れないけど、外からは見学できるので、首を切る瞬間をカメラに収めようと構えていた。「あっ、 いいシーン」と思ったら、信者が私達の視線を遮る。

ああ、もう邪魔な信者め!と信者の為の儀式なのに、勝手なことを言っていると、首切り係の男の子が親切にもちゃんとカメラに写るように信者をどかしてくれた。ネパール人はこういう親切な人が多いので、ネパールが嫌いになれないのだ。

儀式

儀式

首切り係の男の子

首切り係の男の子

キルティプル

次はキルティプルに移動。これがバス移動だったらちょっと苦労するけど、車をチャーターしたおかげで楽に移動できた。やっと気温も上がってきて、身体も楽になってきた。

ここも昔王宮があった場所で、世界遺産の寺もあるが小さな村で、観光客は皆無だった。この村で一番大きな バク・バイラブ寺院に入ると、のんびりした雰囲気で、暇そうな地元民がぶらぶらしているだけだった。

すると、一人の暇そうな男の人が寄って来て、勝手にガイドし始めた。来た来た。後でガイド料をふんだくるつもりだな。と無視していたが、ひつこく「あれを見ろ!あそこに見えるのが何々であれは何々だ!」と無理やり説明を始めた。また、ここで有名な女神ガンガーの像の場所を探していると、ここにあるぞと案内してくれた。

あわよくばというのはあったかもしれないが、特にガイド料をよこせとも言われなかったので、本当はネパール人によくいる、ただのおせっかいのいい人だったのかもしれない。

バク・バイラブ寺院

バク・バイラブ寺院

女神ガンガーの像

また、寺院のとなりには旧王宮の跡の赤レンガ造りの壁があった。見た感じはカトマンドゥのダルバールスクエアと似ていたのでここだとすぐに分かったが、ほとんど跡形がなくなっていた。

旧王宮跡

旧王宮跡

デヴ・ポカリ

デヴ・ポカリ

次に少し歩いてウマ・マヘシュワール寺院に行った。この寺は高台にぽつんとひとつだけ建っていて、そこには誰もいなかった。 彫刻がきれいだなぁ・・・なんて何気なく細部まで見ると、なんともエロい彫刻ばかりだ。いや~、なんかネパールの現実社会ではえらく性に関してきびしいのに、神様だとこんなに大らかになるものなのね。

■ウマ・マヘシュワール寺院

ウマ・マヘシュワール寺院

ウマ・マヘシュワール寺院

次にチランチュ・ストゥーパというこの村で一番大きなストゥーパを見に行った。すると、先程のバク・バイラブ寺院と は違って、ずいぶん巡礼者が多かった。

チランチュ・ストゥーパ

チランチュ・ストゥーパ

青空レストラン

昼食は運転手も誘って、ガイドブックに載っていたネワール料理の青空レストランに行った。運転手も初めてだそうだ。

通常ならレストランも豊富なパタンで昼食をとるのがベストだったが、眺めのよい屋上のゴザの上に座って、ここから 見えるヒマラヤの山々を眺めながら贅沢に食事ができると思ったのである。

しかしそれは日本人感覚の考えだった。外で食べるのは気持ちがいいと思っていたが、朝あんなに低かった気温は、 どんどんどんどん上がって、この青空レストランに着いた頃には真夏のようになっていたのだ。

しかも後で振り返って みると、3週間のネパール旅行の間で一番暑い日だった。もう日差しが強くて、暑くて・・・いやむしろ痛い。 朝は防寒のために使っていたマフラーは今では日よけのために頭からかぶっていた。それでも日陰に移動したら、 景色が悪いというので、我慢して日なたにいた。

早速ネワールの地酒を注文。すると得たいの知れない怪しげな色のお酒が注がれた。味もすっぱくてヤバそうな味だった。恐らく乳酸発酵してすっぱくなってるのだと思われるが、ひと口以上は無理だった。

続いて来た白濁したどぶろくのようなものと透明の日本酒みたいな味のものはまだ飲めたが、私は体調があまりよくなかったので、どれもひと口だけにしておいた。

■ネワールの地酒

ネワールの地酒

ネワールの地酒

代表的なネワール料理をいくつか注文した。チウラ(乾燥させた米をたたいて、平たくしたもの)は、なんか乾燥した鳥のエサみたいで、見かけはシリアルみたいだったが、消化に悪そうだったので、あまり食べないようにした。

是非食べてみたいと思っていたウォー(バラ)というネワール風のお好み焼きは油がぎとぎとで、胸焼けがした。モモを揚げたコティは、ひとつが大きくて、1ケ食べただけでお腹いっぱいになってしまった。

コティ

コティ

ウォー

ウォー

チャタモリ

チャタモリ

チウラとおかず

チウラとおかず

ちょうど隣の席にひとりの日本人男性が座っていたので、ここで会ったのも何かの縁と一緒に食べようと誘った。 男性はtetsuさんといって、関西の人だったので親近感がわいた。

本当はまだここで写真を撮りたかったそうだが、 私達が強引に誘ったので、一緒にパタンに来てくれることになった。

ここの青空レストラン、かなりマニアックで話のネタにはなったけど、その後かなりのリスクを背負ってしまうことに なった!

青空レストラン

青空レストラン

レストランからの眺め

レストランからの眺め

パタン散策

青空レストランでぎらぎらの直射日光に当ったために、体中が火照って、その上チャーター車の中の気温がかなり上がっていたためか、先程まで元気だった私達は急にぐったりしてしまった。

今思えば熱中症になりかけていたのかもしれない。また、なんとか薬で症状を抑えていた風邪が一気に悪化して、熱が上がってきたのが分かった。

パタンのダルバールスクエアに着いたら私はまっさきに木陰で休むことにした。パタンの博物館は元気だったら私も行ったかもしれないが、一度見学したことがあるので行かなかった。

しばらく木陰で休んでいたら、気分は少しマシになってきた。この調子の悪さは日差しのせいでもあったようだ。 寺院の石段の上に座ってヒューマンウォッチングをしていると、tetsuさんの姿が見えた。

「あれ?博物館に入ったんじゃ?」
「一度来たことあるから入らなかったんです。それより街を散歩しませんか?」
写真を撮るのが趣味という彼の視点に興味があったので、一緒に散歩することにした。彼はアテもなく町をぶらぶら散歩するのが好きだそうで、ダルバールスクエアを出て一緒にぶらついた。

すると、パティで地元の人がウォーを焼いていた。数日前にこのあたりを一人で散々歩いた時には見つけられなかったのに、tetsuさんはなんてラッキーなんだ。また、ここにはヤモリの形のデザート「ヨマリ」もあり、tetsuさんと半分ずつ分け合って食べた。

ここのウォーはシンプルだったけど、あっさりしていてとてもおいしかった。こういうのが食べたかったんだよなぁ。デザートの中身は何でできているか分からないけど、なにかの餡が入っていて黒蜜っぽい味がした。これもとてもおいしかった。

ヨマリ

ヨマリ

ウォー

ウォー

そろそろ友人達が博物館から出てきそうなので、ダルバールスクエアに戻った。tetsuさんの旅行のスタンスは私と共通するものがあったので、もう少し一緒にいたかったけど、まだここで写真を撮りたいということで、彼とはここで別れた。偶然にも帰りの飛行機は友人達と同じ便だったので、また再会したそうだ。

■パタンのダルバールスクエア

パタンのダルバールスクエア

パタンのダルバールスクエア

パシュパティナート

パシュパティナートは、ネパール最大のシヴァ神を祭るヒンドゥー寺院で、目の前のバグマティ川には遺灰が流され、 この川とつながっているインドのバラナシにあるガンジス河へ運ばれると信じられている。

今日も火葬場では死体が焼かれていて、横たえられた黒い物体が死体であると認識するのに時間はかからなかった。 日本の火葬場で実際に目にするのはもう骨になった後だが、ここでは黒焦げになっていく様子がモロ見えなので、 よく考えると少しエグいかもしれない。

前に来た時の記憶はガートまであるが、その先の記憶は全然なかった。だから火葬場の向かいに階段があって、 もっと奥にたくさん見るところがあるとは知らなかった。

私はもう完全に熱があって倒れそうだった。T木さんは少し回復はしていたがまだ調子は悪く、Oさんも相変わらず万全ではなかった。そして新たにかわまりが胃の調子が悪くなってしまった。

せっかく来たのだからガート以外の所も色々見学したいという心はあったが、全員乗り気でなかった。 しかし誰もそれを言い出せずに、休み休み見学していたが、遂に帰ろうと決意した。

そして、今日の晩にホテルウッツェでギャコック(チベット鍋)を予約していたのもキャンセルして、すぐにホテルに帰った。

■パシュパティナート

パシュパティナート

パシュパティナート

遂にダウン

元凶は、キルティプルの青空レストランの料理に間違いなかった。かわまりだけでなく、Oさんも胃の調子が悪くなっていた。逆に元から食欲のなかったT木さんはほとんど食べなかったおかげで難を逃れた。

私も風邪で元々食欲がなかったため、T木さんよりはたくさん食べたものの、そんなに多く食べなかったおかげで、少し下しただけですんだ。

しかし熱はどんどん高くなっていたようで、ホテルに戻ってきた途端、服を着替える気力もなく、ベッドになだれ込んだ。 そしてうーん、うーんと唸っていたらしい。

一方、人の倍は食べていたであろうK美さんだけが完全無傷。体調的には万全なK美さんだったが、実は足は怪我していた。 トレッキングシューズが壊れたためにサンダルで歩いていたせいか、道の段で蹴つまずいてこけたのだ。

あまりにも派手にこけたので、前の店のネパリが慌てて出てきて「店で休んでいけ!」と言われたくらいだ。しかもまた同じ所でこけそうになって、それも同じ店のネパリに見られていて、すっかり有名になってしまったK美さんだった。

その×のK美さんと、×のT木さんだけが今日は元気で、夕食はたった二人で食べに行くことになり、さんざんな大晦日となった。

10日目(2012.01.01)

ストライキ

昨日、私達ダウン組がホテルで苦しんでいる頃、K美さんとT木さんは町で“新年1月1日はストライキになる”という 情報を聞きつけた。ネパールではバンダと呼ばれていて、最近ではかなり頻繁に行われているようだ。

ストライキ期間中は、大規模な場合は全ての公共交通機関が止まり、飲食店やショップなども閉まり、完全に都市の機能はマヒしてしまう。

その情報を聞きつけたふたりは、すばやくパン屋へ駆け込んだ。するとちょうど閉店前の割引セール中で、元から安いパンがさらに安くなっていたそうだ。しかし咄嗟に食料を確保するところが流石である。

今朝、私達はそのパンを食べながら、その出来事を聞かされた。結局今回はデマだったようだが、クリスマスの頃にもストがあったそうなので、かなり頻繁に起こっているようだ。

ダルバール・スクエア

朝起きると熱は下がっているように感じたので、観光には出かけられると思った。しかし実際には昨日が酷すぎたために治ったように感じただけで、関節が痛くて腰がダルくてたまらなかったので、今思えばまだかなり熱はあったのだろう。

ダルバールスクエアに入場するには、外国人は高い入場料を払わなければならない。しかも新年になって、さらに値上がりしていた。初めて行った時はフリーパスで、毎日ここに通っていたことが信じられない。

中の博物館は久しぶりだったので、私も見学することにした。しかし途中で何度も倒れそうになって、休み休みじゃないと進んでいけない状態だった。もうふらふらで中の内容は全然頭に入らなかった。

やっぱり、ダメ。 この後予定している買い物には付き合わずに、リキシャーに乗ってホテルに帰ろう。そう決心していた。

博物館を出て、クマリの館の前に行った。お布施をすると、小窓からクマリが顔を出してくれるのだ。団体観光客が来たときに便乗して見ようと、近くの段で一休みした。ここは日陰でそよ風が気持ちよくて、だんだんと気分もよくなっていった。

そこへひとりのネパリが小銭の日本円を両替してくれとやってきた。K美さんは言葉巧みにいいレートで両替していた。 金銭取引に関してK美さんに勝てる人は、地球上にあまりいないのではないかと思う。

そのネパリはすっかりT木さんのことを気に入って「なんてビューティフルなんだ!綺麗だ綺麗だ!」と連発していた。 そしてどさくさに紛れて、隣にいた私のことは「あなたはチベタン」と言い捨てた。

おせじでもいいから綺麗って言えよ~! しかし、いつもチベタンに似ていると言われるなぁ・・・。今度チベット人に化けてみようかしら。

そしてこの休憩でなぜか復活してしまった。しかも救われたのは私だけではなかった。T木さんも相変わらずつらかったようで、ここで座っていたおかげで元気回復したと言っていた。

■ダルバール・スクエア

ダルバール・スクエア

ダルバール・スクエア

ヤク・ウール

ヤク・ウールとは、ヤクという高地にしかいない山羊のウールで、そこらじゅうにヤク・ウールで作られたショールが売っていた。

私は前回ネパールに来た際、問屋でヤク・ウールのショールを買ったらとても安かったので、前回行った問屋に行こうとしたが、その店は見つからなかった。しかしタメルで買ったら高いので、インドラ・チョークの近くで適当な問屋っぽい店を尋ねた。

まさか観光客が入ってくるとは思わなかったのだろう。店の人は一瞬あっけにとられていたが、私達が必要とする数がほとんど業者といっても過言ではないくらいの量だったために、倉庫へ連れて行かれた。

みんな思い思いの柄を選んで、はじめは買うつもりのなかった私も、結局小さいサイズを1枚買ってしまった。

倉庫のヤクウール

倉庫のヤクウール

ところがこのショールが大成功で、ずっと寒くて寝られなかった夜にこれを巻いて寝たら、安眠できてしまったのだ。 その後はすっかりお気に入りの一品になってしまったショールである。

ギャコック

午後には全員元気になっていた。やっと今日は全員揃っての食事ができそうだった。よっしゃ!リベンジ・ギャコックだ! ということで近くのチベット料理店の老舗「ウッツェ」に予約した。

ギャコックはチベット鍋のことだが、tetsuさんの情報によると、チベットにギャコックはなかったそうだ。つまり在ネパール・チベット人の料理なのではないだろうか。

日本では有名ネパール料理屋で食べたことがあるギャコックだが、ネパールではなかなか人数が揃わないため今まで食べたことがなかった。

日本のしゃぶしゃぶのような鍋に色んな種類の具が入っていた。街ではあまり見かけなかった豆腐なんかも入っていたり、 バッファローらしき肉や白身魚の肉も入っていた。野菜が豊富で割とあっさりしていて、病み上がりの体にはぴったりだった。

■ギャコック

ギャコック

ギャコックセット

ギャコックセット

ギャコックセット

また、ここでは他にも楽しみなものがあった。それは「トゥンパ」というネパールの地酒。シコクピエを発酵させたものにお湯を注いで、ストローで飲むというお酒だが、木のコップに入ったシコクビエにお湯が入ったポットが付いてきて、 そのコップにお湯を注ぐと何度でも飲めるのだ。これはもうネパールでしか味わえないお楽しみだ。

■トゥンバ

トゥンバ

トゥンバ

11日目(2012.01.02)

スワンヤンブナート

今日は友人達が日本に帰る日だ。帰るのは夜遅くなので、今日は1日観光の予定だったが、あいにくの雨。 私は冬にしかネパールに来たことがないが、4回目にして初めてネパールで雨に遭った。

午前中はネパールでの2大スポットのひとつ「スワンヤンブナート」に行った。通称モンキーテンプルと言われるサルが多い高台に立つストゥーパである。

寺に表から行くには急な階段をひたすら登らなくてはいけないが、その途中で露天の土産物屋が開いていた。 なんとなくK美さんと一緒にシンギングボウルの説明を聞いていたら、二人とも欲しくはなかったのに、 なぜか値引き合戦が始まり、なんとなく買ってしまった。

値引き交渉ではオヤジに勝った感はあるが、買うつもりのなかったものを買わせたということで、オヤジの勝ちである。

ちなみにそのシンギングボウル、おやじが鳴らしたらすごいいい音色だったのに、自分で鳴らしたら全然いい音がでない。さすがはプロである。(しかし日本で毎日鳴らしていたら、いい音色が出るようになった)


久しぶりのスワンヤンブナートだったが、全然変わってなかった。ただし、今日は雨だということで、サルの数が少なかったように思う。きっとどこかで雨宿りしてるのだろう。カトマンドゥ市内を見渡した後、お決まりのマニ車を回した。マニ車は1回転で1回お経を唱えたことになる。

ふと見るとかわまりが狂ったようにマニ車を回していた。 何か思うところがあるのだろうか。いずれにしても、これで彼女は多くの功徳を得たことになるだろう。

スワンヤンブナート

スワンヤンブナート

今日は、ある寺の内部からお経が聞こえた。ちょうどチベット僧の読経が始まっているところだった。 内部には無数のバターランプが置かれていて、火を灯さなければ白く固まっているバターも、透明の液体となっていた。

バターランプ

バターランプ

チベット仏教の読経

チベット仏教の読経

読経はドラを使ってかなり派手になってきた。読経が部屋に反響して独特の雰囲気をかもし出してきた。

ボダナート

次はボダナートへ向かった。ボダナートは国内最大のストゥーパで、国内の多くのチベット人が巡礼に訪れる。 ここでは五体投地も普通に見られるし、ストゥーパの上に登ることができるので、上に座ってのんびりするのが好きだ。

しかし、今日は何かの祭典が行われていて、ストゥーパの上にチベット僧が勢ぞろいして、大僧正の読むお経と共にみんなで読経していた。大僧正は一番前でマイクを使って読経しているのだが、日よけがビーチパラソルなので、神妙な気持ちがなんだか薄れてしまった。

普段目にしている下っ端のチベット僧と違い、上の階級の僧は袈裟が豪華だった。旅行者が生で高い階級の僧に出くわすことはめずらしいので、ラッキーだった。日本で正月のお参りができない分、ここでお参りしていった。

■ボダナートでの祭典

ボダナートでの祭典

ボダナートでの祭典

ストゥーパの周りにはおみやげ物屋があって、なんと太陽光で動くマニ車が売られていた。神聖なマニ車がぁ~! しかしアイデアは面白いかも。けど誰が買うねんっと思っていたら、横でかわまりが買っていた。(後日、 かわまりの家で太陽光マニ車を見たら結構よかった。今度は私も買おうかしら・・・)

ボダナート

ボダナート

最後の夕食

みんなとの最後の夕食はイタリアンだった。ネパールはなぜかピザがおいしいのだ。ネパールでは強力粉を使った料理はかなり期待できる。また、ネパールのトマトはとても甘くて、トマトを使った料理が多いイタリアンには最適だ。

行ったのはタメルの「La Dolce Vita」。現地人からしたら少しお高いレストランだったが、 日本でいうと「サイゼ○ア」のような感覚で食べられた。しかも味は一流のおいしさだ。

ネパール料理はおいしいけど、やはり慣れない味なので長期に渡ると飽きてくる。今日は久しぶりの慣れた味で、 みんな食欲が戻ってきたようだった。体調面で色々あったけど、最終的に観光ノルマは全部達成できたし、 この最後の時にみんな元気になって本当によかった。

■「La Dolce Vita」の料理

「La Dolce Vita」の料理

「La Dolce Vita」の料理

さて、私も明日からはカトマンドゥを離れることになっていた。急にひとりになるのは少しさみしいが、 体調も回復したし、明日からまたがんばろう。

ホテル情報

ホテル フジ
(外部のサイトに飛びます。ホテルの詳細が分かります。)
Hotel Fuji
Near Amrit Marg, POB. 6209, Jyatha, タメル, カトマンズ, ネパール

感想

ネパールの標準的なホテルです。スタッフに日本語の話せる人がいるので、日本人の宿泊客が多いです。1泊だけ少し上のランクの部屋に泊まったら、日当たりがよくかなり快適な部屋でした。少しの出費でこれだけ違うなら、私は次回泊まるならランクアップしようと思います。現地ツアーの手配などしてもらいましたが、特に高いとは思いませんでした。ネパールでケチろうと思えばいくらでも安いホテルはありますが、少し払ってでも女性一人旅には安心なホテルだと思います。

雲海リゾート
(外部のサイトに飛びます。ホテルの詳細が分かります。)
Unkai Resort
Nagarkot, Nepal

感想

ナガルコットの標準的な安宿です。オーナーの奥さんが日本人ということで、日本人の宿泊客が多いです。ナガルコットの端にあるため、中心部からは遠いですが、景色は抜群です。わざわざ展望台まで行かなくても屋上で十分ヒマラヤが見られます。個室部屋は普通。ドミトリーは、狭い相部屋という感じで、あまりにもプライバシーがなさすぎの部屋でした。

レストラン情報

ネパールのレストラン │ 海外旅行グルメ紹介
ネパールのレストランを紹介しています。
ネパール料理・チベット料理 │ 海外旅行グルメ紹介
過去にネパールで食べた料理を紹介しています。

ショップ情報

今回の旅で管理人コタが訪れたショップの中で行ってよかった所です。下の地図上のマーカーの位置がショップの位置です。参考にして下さい。

The Kathmandu Mall
衣類など生活雑貨が売っていますが、観光客にはあまり魅力的なものはありません。ただし、屋上のフードコートは景色が良くてほっと一息つけるのでオススメです。また、トイレもただで使えるので休憩によいでしょう。
Bhatbhateni Supermarket
ネパールの数少ない大型スーパーマーケットです。食料品以外にも衣類(既製品のパンジャビードレスなど)、食器などの生活雑貨やインテリア関係など観光客向けではないにせよ、日本にはないものが沢山あるので、見るだけでも楽しいです。もちろんお土産にも良いです。(交渉しなくていいのも利点)
アムリタクラフト
ネパールの数少ない定価販売のお土産店。ネパールのお土産品がひととおり揃っていて、お値段も良心的な設定でした。相場よりやや高いですが、ぼったくられる心配はないので、交渉に自信がない人には良いでしょう。また、相場を知るのにも利用できます。
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お土産情報

ネパールのお土産 │ 海外旅行戦利品
ネパールのお土産を解説付きでまとめています。
その他アジアのおみやげ │ 海外旅行戦利品
スリランカ、ネパール、タイ、フィリピン、その他の国の食べ物のお土産を紹介しています。

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